「納品のない受託開発」を語る会 - DevLOVE関西 | Doorkeeper

11/15に「納品のない受託開発」を語る会のキャンセル待ちに登録していたところ、当日の開始1時間前ぐらいになってやっとキャンセル待ちの順番が来たので、タクシーで十三へ走った。

 

 おもしろいと思ったことは3つあって、1つ目は「アウトバウンドの営業をやっていない」ということ。ソニックガーデンの主なクライアントはホームページやブログを見てやってくる人が大半の様で、問い合わせが来た時点で既に、ソニックガーデン流の仕事の進め方に理解を持ってくれている可能性が高い。

 なるほど、自分でもホームページを拝見する。メッセージが練られていて、ビジネスモデルも面白い。「開発会社、フリーランスの方へ」というリンクがあるが、問い合わせをしてみる前に、Webで発信されている情報をよく理解しておこうという気になってしまう。

 倉貫さん曰く、営業する人がいなかったから苦肉の策でこうなったということでしたが、営業に時間を割けないフリーランスのプログラマは等しくマネするべきだと思った。

 さて、自分はホームページを開設して語るほどの立派なビジネスプランやメッセージはない。とりあえず、ブログから始めてみようと、早速はてなブログを開設することにした。すぐにマネはできなくても、1日1記事、日記のように書き続ければ、なにかきっかけをつかめるハズだ。

 

 面白いと思ったことの2つ目は、コードレビューの基準はDRYコードかどうかをみるということ。これには「やっぱりそうなんだ!!」という衝撃を受けた。

 プログラマとしてやってきて10年、自分はずっとこのことを突き詰めて考えてきたように思える。どれだけ重複ないコードを書くかという命題と、あまりソースコードの綺麗さにこだわり過ぎずにどれだけ早くコードを完成して納品できるかという命題同士のせめぎ合いでずっと悩んできた。

 どちらかというとスピード重視で、綺麗にコードを書き過ぎることにこだわらないようにしていた。自分が表現可能な綺麗なコードから、あえて一歩完成させないように自戒もしていたぐらいだ。

 直近では、オープンソースのカスタマイズ案件にかかわり、どうにもリファクタリングしようのないスパゲッティコードを料理していて、完全にDRYでないコードに毒されていたようだ。

 どうやらDRYであるかないかで悩むことを忘れてしまっていたようだ。DRYなコードを書きあげることが正解だとは思わない、そこは本当にDRYなコードをに直す必要があるのか?と考えつづけることが今の事態を収拾するカギになるはずだ。

 

 最後の3つ目は「本当に○○する必要があるのですか?」と考えている事です。クライアントが一括納品をすることを望んでいたとする、そういう時は「本当に一括納品する必要があるのですか?」と考えるらしい、前提を疑うことは大切だと思う。

 納期だけが決まっていて、やらなければいけない要件がなんとなく、ぼんやり決まっている、いや決まっていない。そんな状態で始まっている案件があり、要件の優先順位とかはなく、全部やらなきゃいけなくて、でも納期は絶対という契約。

 どこまでやらなければいけないかを相談しにいくと、どうすれば納期を守れるか考えようと返される。

 前提を疑う余地なんて挟めそうにない状況。挟めば弱音を吐いているとレッテルを張られ、モチベーションを疑われかねない。そんな状況で「本当に一括納品する必要があるのですか?」なんで、口を挟めるか?いや、挟めない。よくある話。一般論です。

 さて、この前提を疑うということは、人生を変えるぐらい大切なことだと思う。それは弱音や逃げじゃない。現状を突破するために、考え抜く前向きな姿勢だと思う。思考停止して埋もれていくプログラマは少なくないはず。本当に後ろ向きになって消えていくプログラマも少なくないだろうけど。

 

 ソニックガーデンの「納品のない受託開発」のビジネスモデルにはとても興味がある。今の案件を乗り切ったらぜひ詳しいお話を聞きに行ってみたい。

 

 あと4つ目、もう一つあった。会食が終わった後、倉貫さんと名刺交換をした際に伺ったことによると、ソニックガーデンではプログラマ35歳定年説の年ぐらいになったら、独立を進めているらしい。ソニックガーデンの平均年齢は30歳ぐらい。

 自分も来年で35歳。三十にして立つ、四十にして惑わず。迷い多く、立ってもおらず。時間が惜しい。残業をするのはカッコ悪いという文化は、文化ではなく必然となってくる。